人 的 要 件

 運送業を開始するに当たって、必要となる人員や資格について定められた許可要件です。4つの要件を満たす必要があります。

 

【人的要件】

    法令試験に合格すること

    欠格事由に該当していないこと

    5人以上の運転者を要すること

    運行管理者と整備管理者の選任すること                                 

 

 

 法令試験に合格すること⇒詳細はこちら

 

 運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可を取得するためには、運送業の法令試験に合格する必要があります。

 許可申請書が運輸支局で受理されると法令試験が実施されます。

 試験日の約2週間前に申請者に対して試験案内通知が郵送されてきます。

 

 これは運送事業を行うための申請をする者、あるいはその法人の役員は、法令の知識(法令試験合格)があり、法令を理解することを

 ができるという趣旨に基づくものものです。

 

 法令試験を受験するのは、個人事業の場合は個人事業主、法人の場合は常勤役員のうちの一人が受験することになります。

 運行管理者資格があっても必ず受験しなければなりません。

 

 法令試験は2回まで受験することができます。

 1度失敗して、2回目の試験は別の常勤役員の方が受験されても構いませんが、合格しなければ、新規認可申請は取下げとなってしま

 います。

 そうなりますと、新たに申請をやり直すこととなりますので2回以内で合格するようにしっかりと準備をする必要があります。

 

②欠格事由に該当していないこと

 

 申請者(事業主又は法人役員全員)が、欠格事由「貨物自動車運送事業法第5条」の欠格要件に該当する場合には、運送業の新規許可を 

 取得することはできません。

 

【欠格事由】

・1年以上の懲役または禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から2年を経過しないもの。

・一般貨物自動車運送事業者または特定貨物自動車運送事業の取消を受け、その取消の日から2年を経過しないもの(当該許可を取消されたものが法人である場合においては、当該取消に係る聴聞の通知が到着した日前60日以内にその法人の役員であったもので当該取消の日から2年を経過しないものを含む。)

・営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者または青年被後見人であって、その法定代理人が上記のいずれかに該当するもの

・法人であって、その役員のうちに上記のいずれかに該当する者のあるもの

5人以上の運転者を要すること

 

 必用人数の運転者を確保すること。

 事業用自動車の数は5両以上とすることが物的要件として求められていることから、車両台数分以上の運転者の確保、又は確保予定で

 あるかが、要件として必要となります。

 申請時点で確保できていなくても確保予定であれば大丈夫です。

 ただし運転者は日々雇入れられる者、2か月以内の期間を定めて雇用される者、使用期間中の者は認められません。

 よって運転者全員は社会保険に加入させなければなりません。

 また、事業用自動車を運転することができる自動車運転免許を持っている者でなければなりません。

    運行管理者と整備管理者の選任すること

 

 運送業許可を取得するためには、常勤である者の中から「運行管理者」と「整備管理者」を選任をしなければなりません。

 

 運行管理者とは・・

 車両数が一定以上の自動車運送事業において事業自動車の運行の安全を確保するための業務を行う者です。

 運転者に指示を出す存在となります。

 道路運送法及び貨物自動車運送事業法に基づき、

 ・事業用自動車の運転者常務割の作成

 ・休憩、睡眠施設の保守管理

 ・運転者の指揮監督、点呼による運転者の疲労

 ・健康状態等の把握や安全運行の指示などの、事業用自動車の安全を確保するための業務を行います。

 

 自動車運送事業者(除く、貨物軽自動車運送事業者)は、一定数以上の事業用自動車を有している各営業所ごとにに、配置しなければ

 なりません。

 保有車両29両まで1名、以降30両ごとに1名ずつ選任する必要があります。

 ・0~29両⇒1人  29両~59両⇒2人  59~89両⇒3人

 運行管理者として選任されるためには、自動車運送事業の種別に応じた種類(トラックの場合は「貨物」)の運行管理者資格者証を取

 得する必要があります。

 

 運行管理者になるためには、下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

【運行管理者資格者証の取得方法】

・運行管理者試験に合格する(毎年の年2回:3月&8月)。

5年以上の実務経験及び5回以上の自動車事故対策機構講習を受講する。

 5回以上講習のうち少なくとも1回は基礎講習を受講していること。

 (講習回数は1年に1回のカウントとです。1回しかカウントしません)

 整備管理者とは・・

 車両数が一定台数以上のバス又は大型トラック及び事業用自動車を使用する自動車の使用者は、その使用する自動車の本拠ごとに、一 

 定の要件を備える「整備管理者」を選任して必要な権限を付与し、自動車の点検・整備及び自動車車庫の管理に関する事項を処理させ

 なければなりません。

 具体的には、日常点検等の車両点検管理や車両整備の実施計画の策定、点検整備記録簿等の記録簿管理、車庫管理などが主な業務内容

 になります。

 運行管理者との兼任も可能です。

 

 整備管理者になるためには、下記のいずれかの要件を満たす必要があります。

【整備管理者の資格取得方法】

・トラック等の「点検又は整備及び管理の実務経験」を2年以上有し、かつ、地方整備局長の行う整備管理者選任前研修を修了していること

1級、2級又は3級の自動車整備士技能試験のいずれかに合格している者であ

 ること

 

  「点検又は整備及び管理の実務経験」というのは、下記のことをいいます。

 ・整備工場、特定給油等における整備要員として点検・整備業務を行った経験

 ・自動車運送事業者の整備実施担当者として点検・整備業務を行った経験

 ・整備責任者として車両管理業務を行った経験

  のことをいいます。運送会社に勤務経験のある運転者であれば、当然に日常点検を行っているので実務経験として認められます。