資金的要件

 所要資金は営業所、車庫、車両が自己所有というのであればかなり抑えることができますが、営業所は賃貸物件、車両等はリース契約

 で調達する計画となると、数千万円単位の資金確保が必用となってきます。

 

 必要とする自己資金についてはよく確認したうえで、確保しておかなければ、申請時に要件を満たすことができないということにもな

 りかねません。

 

運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可を取得するためには、資金計画において以下の要件を満たさなければなりません。

【資金的要件】

・資金計画について十分な裏付けがあること。

・所要資金の見積もりが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものであ

 ること。

・所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されて

 いること。

 

資金計画について十分な裏付けがあること。

 所要資金調達に十分な裏付けがあることについては、銀行等の金融機関等が発行する、預貯金の残高証明書により証明します。

 

所要資金の見積もりが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なものでること。

 所要資金の見積もりは、運輸局が定めている「事業の開始要する資金及び調達方法」の様式に従って算出します。

 内訳の詳細としては6か月分の人件費、修繕費、燃料費及び1年分の車両費、施設費(土地・建物費)、保険料、各種納税費用などの費

 用等を合計したものとなります。

 

所要資金の全額以上の自己資金が、申請日以降許可日までの間、常時確保されていること。

 自己資金が所要資金に相当する金額以上であり資金計画が適切であることを確認する必要があることから、金融機関発行の残高証明書

 の提出が2回求められます。

 ・第1回目の残高証明書は、新規許可申請時に提出します。

 ・第2回目は、役員の法令試験合格から2~3か月後に提出するように指示されます。

 自己資金が申請日以降許可日まで常時確保されていることを確認するものですので、同じ金融機関(複数銀行もOK)の同じ口座の残高

 証明書を提出します。

 預金残高証明書の発行日において、自己資金が資金計画の所要資金を下回ってしまうことになりますと、申請取下げとなってしまいま

 すから、銀行預金管理には十分に注意することが必用です。

 

損害賠償能力

 運送業(一般貨物自動車運送事業)の許可を取得するためには、自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)への加入のほか、一般自動車保険(任意保険・対人賠償無制限)へ加入することで、万が一の場合に備えて損害賠償能力があることも要件となります。

 

 具体的には

 ・自動車損害賠償責任保険又は自動車損賠省責任共済に加入する計画のほか、一般自動車損害保険(任意保険)の締結等十分な損害補

 償能力を有するものであること。

 (任意保険の補償内容は対人賠償額が「無制限」で、かつ、対物賠償額「200万円以上」が必要です。)

・石油類、化成品類または高圧ガス類等の危険物の輸送に使用する事業用自動車については、上記に適合するほか当該輸送に対応する適

 切な保険に加入する計画など十分な損害賠償能力を有するものであること。