営業所の要件

 

 営業所とは、事業における営業の本拠であって営業上の主要な事業活動が行なわれる一定の場所のことをいいます。本社と同じ建物の

 場合もありますが、別の場所に設ける場合もあります。個人自宅、テナント、若しくはアパート等でも大丈夫です。

 

 

 運送業(一般貨物自動車運送事業)の営業所として使用するためには、以下の要件を満たさなければなりません。

営業所の要件】

・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に違反していないこと

・使用権原を有すること(裏付けがあること)

・適切な規模を有するものであること          

  

 都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に違反していないこと

 都市計画法における以下の区域においては、原則的に運送業の営業所として使用することはできません。

 ・市街化調整区域

 ・第一種低層住居専用地域

 ・第二種低層住居専用地域

 ・第一種中高層住居専用地域

 ・第二種中高層住居専用地域(一定条件の場合)

 ・第一種住居地域(一定条件の場合)

 

 建築基準法上の建築物とは

 「土地に定着する工作物のうち、屋根及び若しくは壁を有するもの」と定められています。

 プレハブ・ユニットハウス・コンテナハウス等も建築基準法上の建築物に該当するため、建築基準法の適用範疇に入り、そのままでは

 運送業の営業所として使用することはできません。

 本件のケースでは、原則、基礎工事・建築確認申請をする必要が生じます。

 

 土地の登記簿上の地目が農地(田・畑)の場合には、農地法に基づき農地転用の手続きが必要となりますが、必ずしも農地転用が出来 

 るとも限りませんので注意が必要です。

 

 市街化調整区域の場合は原則として、プレハブ建物であっても建てられません。

 

 ※物件を選ぶ場合は上記をよく確認し慎重に対応する必要があります。

  事前に、行政書士等の専門家とよく相談し不動産調査をすることをお勧めします。

 

使用権原を有すること(裏付けがあること)

 営業所が自己所有であるか、賃借していることを証明する必要があります。

  自己所有・・・土地建物の登記簿謄本(登記事項証明書)で証明します。

  賃借物件・・・賃貸借契約書で使用権原を証明します。

 

 賃借物件の場合には、契約期間が1年以上である必要がありますが、賃貸契約書に自動更新の記載があれば問題ありません。

 賃貸借契約書の使用目的が「住居使用に限る」といった場合等には、別途使用承諾書等が必用となります。

 

 適切な規模を有するものであること

 営業所の面積、広さについては明確な基準があるわけではありませんが、運送業を営む営業所として適切に業務遂行ができる広さが

  必用です。

 

使用可能な用途地域

営業所として使用可能な用途地域

     

第二種中高層住居専用地域(2F以上)、床面積が1,500㎡以下

     

第一種住居地域(3,000㎡以下)

     

第二種住居地域

     

準住居地域

     

近隣商業地域

     

商業地域

     

準工業地域

     

工業地域

     

工業専用地域

     

用途地域の指定の無い区域

 

※市街化調整区域に該当する場合には認可の対象外となります。

 

休憩・睡眠施設

 トラックの安全運行の確保のためには、運転者(ドライバー)のために適切な休憩、睡眠施設を備えることが必用になります。

 休憩・睡眠施設として使用するためには、以下の要件を満たさなければなりません。

休憩・睡眠施設の要件】

・都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に違反していないこと

・使用権原を有すること(裏付けがあること)

・原則として、営業所又は車庫に併設されるものであること。

・運転者が有効に利用することができる適切な施設であり、運転者に睡眠を与える必要が

 ある場合には、少なくとも一人当たり2.5㎡以上の広さを有するものであること。         

  

  都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に違反していないこと

 上記営業所規程と同じ。

 

 使用権原を有すること(裏付けがあること)

  上記営業所規程と同じ。

 

 原則として、営業所又は車庫に併設されるものであること。

 営業所と休憩・睡眠施設を一つの部屋に併設する場合には、パーテーション等で仕切っておく必要があります。

 

 運転者が有効に利用することができる適切な施設であり、運転者に睡眠を与える必要が

 

 ある場合には、少なくとも一人当たり2.5㎡以上の広さを有するものであること。

 休憩スペースには、テーブル、椅子、ソファー等を設置して、運転者が有効に利用することができるようにする必要があります。

 また、運転者が帰社して、8時間以上の休憩が確保できない運行があるときには、睡眠施設を設置しなければならず、少なくとも同時 

 睡眠者一人当たりに対して2.5㎡以上の広さを有している必要があります。(必ずしもベッドを置く必要はない)