営業所を賃借物件とする場合
営業所を賃借物件とする場合
賃借建物を運送業(一般貨物自動車運送事業)の営業所(運送業の本拠地)として使用するためには、「営業所の要件」でも記載して
いますが、立地条件等について細かい規定が定められておりますので、物件選定には細心の注意を要します。
(賃借契約後に要件未充足で不許可となってしまった場合には時間も経費も無駄となってしまいます。)
営業所の用途地域、車庫との距離、車庫(駐車場)の前面道路の幅員や農地法には要注意です。
【営業所の要件】
1.都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に違反していないこと
2.使用権原を有すること(裏付けがあること)
3.適切な規模を有するものであること
1.都市計画法、建築基準法、消防法、農地法等関係法令に違反していないこと
都市計画法における以下の区域においては、原則的に運送業の営業所として使用することはできません。
・市街化調整区域
・第一種低層住居専用地域
・第二種低層住居専用地域
・第一種中高層住居専用地域
・第二種中高層住居専用地域(一定条件の場合)
・第一種住居地域(一定条件の場合)
建築基準法上の建築物とは
「土地に定着する工作物のうち、屋根及び若しくは壁を有するもの」と定められています。
プレハブ・ユニットハウス・コンテナハウス等も建築基準法上の建築物に該当するため、建築基準法の適用範疇に入り、そのままでは
運送業の営業所として使用することはできません。
本件のケースでは、原則、基礎工事・建築確認申請をする必要が生じます。
土地の登記簿上の地目が農地(田・畑)の場合には、農地法に基づき農地転用の手続きが必要となりますが、必ずしも農地転用が出来
るとも限りませんので注意が必要です。
市街化調整区域の場合は原則として、プレハブ建物であっても建てられません。
※物件を選ぶ場合は上記をよく確認し慎重に対応する必要があります。
事前に、行政書士等の専門家とよく相談し不動産調査をすることをお勧めします。
2.使用権原を有すること(裏付けがあること)
営業所が自己所有であるか、賃借していることを証明する必要があります。
自己所有・・・土地建物の登記簿謄本(登記事項証明書)で証明します。
賃借物件・・・賃貸借契約書で使用権原を証明します。
賃借物件の場合には、契約期間が1年以上である必要がありますが、賃貸契約書に自動更新の記載があれば問題ありません。
賃貸借契約書の使用目的が「住居使用に限る」といった場合等には、別途使用承諾書等が必用となります。
3.適切な規模を有するものであること
営業所の面積、広さについては明確な基準があるわけではありませんが、運送業を営む営業所として適切に業務遂行ができる広さが
必用です。
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